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Jumble (106)
原作設定



周囲の明るさにふと目が覚める。どこかカーテンがちゃんと閉まっていなかったのかもしれない。
薄目を開けて周囲を窺ってみると、思ったほどは明るくはない。まだ早い時間のようだ。
寝返りを打ち、もう一度寝ようとするが、なんだか目が覚めてしまった。
ので、カーテンを閉め直そうと窓際に行く。
少しだけ開いていたカーテンを閉めようとして、外がどのくらい明るいのか気になって逆に窓を開けて外を見てみる。
うっすらと空が赤く染まっている。
夜明け前。
一際明るくなっているところから陽が昇れば。
「初日の出ってやつかな」
「なにしてる」
呟きと後ろからのかかった声が重なった。
「三蔵」
「さみぃから閉めろ」
「あ」
有無を言う間もなく窓が閉められる。
「なんだ?」
「いや、初日の出、見れるかなって思ってたんだけど」
「陽が昇るのなんざ、いつものことだろうが」
「それはそうなんだけど」
まぁ、事実、昨日、この街に辿りつかなければ、昨日が大晦日で今日が正月だなんて気がつかなかったかもなんだけど。
そんなことを考えていると、ふわりと後ろから包み込まれた。
あったかい。
それで結構冷えていたことに気づく。
「寺院にいたころは、さ。年末年始ってもっとこう――神聖な感じがしてたな」
「くだらねぇ儀式のせいだろ。過ぎていく日事態には、普段の日となんら変わることはねぇよ」
「うん。そうだな。……だけど」
くるりと腕のなかで反転して、綺麗な顔を見上げる。
「正装をしてる三蔵はカッコ良かったな。といっても、俺としてはいまの方が――こうして触れ合える方がいいけど」
ぎゅうと抱きつく。
特別な日も。そうでない日も。
一緒にいられるのなら、それで――。