33. ゆびきり


 ゆびきりをした。
 それは約束の証。

 約束とは嘘をつかないこと。決して裏切らないこと。
 ゆびきりを教えてくれた人の言葉。

 だから。
 違えることのない約束の証にゆびきりをした。

 五百年に渡る長い孤独は、その約束通り終わった。

 そして――

「さんぞー、ゆびきりをしよう」

 小指を差し出した。

 三蔵に嘘はつかない。
 三蔵を決して裏切らない。

 だから、ゆびきりをしよう。
 約束の証に。