Eternity


「や……っ」
 明かりをすべて落とした薄暗い部屋に響くのは、寝台の軋む音と密やかな吐息。艶めく吐息は部屋を満たし、その甘い香りに頭がくらくらと痺れてくる。ただその甘さに溺れていたい、そんな気にさせられる。
 三蔵は、目の前にある果実のような胸の突起に唇を落とした。
「ふぁっ」
 同時にまたひとつ甘い吐息があがる。
「んっ、や……。やだ……っ」
 震えるように身を捩るその姿は、普段の小猿のような振る舞いからは想像もつかないものだ。
 三蔵は微かに唇の端をあげた。
「なにが、嫌だって?」
 舌で転がすように胸の果実を舐め、わざと吐息がかかるように囁きかける。
「ふ……ぅんっ」
 大きく揺れ、逃げるようにうねる体を上から押さえつけた。それから胸の果実を口に含んで、悟空自身に絡めた指を滑らせて先端の部分を刺激してやる。
「や……ぁっ、も、や……っ」
 動きを封じられて、快楽を逃す術のなくなった悟空が、まるでなにかに耐えるかのように切なげな声をあげる。それをもっと聞きたくて、三蔵は絡める指の動きを早くする。
「あ、あぁっ」
 すると、引き離そうとしているのか、悟空の手が三蔵の髪にかかった。
「やあぁっ」
 そして本当に嫌がっているような、そんな声をあげる。
 その声に、ようやく三蔵は顔をあげた。
 差し込む青白い月明かりに、浮かび上がる華奢な裸体。女性のように丸みを帯びたものではないが、薄い胸も細い腰も誘うような色香を放っている。涙を湛える金色の瞳も、上気した頬も、月の光に陰影を濃くし、艶やかさを増している。

continue・・・