【原作設定】
互いの声が


2006年8月11日


「三蔵……」

 泣き出す一歩手前のような、普段からは想像もつかないような甘い吐息まじりの声。
 それだけで煽られる。

「悟空……」

 その華奢な体に顔を埋めた。



「悟空……」

 低く掠れる声が、耳元で囁かれる。
 いつもとは違う、この時にしか聞けない艶めいた声に、それだけで達してしまいそうになる。

「三蔵……」

 息をつめて、広い胸にすがりついた。



 互いの声が、互いを甘く痺れさせる媚薬。
 そんなことを感じた瞬間。