Addiction(19)


「さん……ぞ……?」

荒い息をついていたところ、抱き寄せられた。
ふわり、と髪に唇が落とされる。
暖かくて柔らかいものに包まれているようで、心地良い。
このまま眠ってしまいそうになるが。

「あっ」

熱い手が触れてきて、思わず声が漏れる。

「……やっ、な……んで……っ」

息があがってくる。

「う……そっ」

どうして?
だって、さっき――。
唇を噛みしめて、その感覚をやり過ごそうするけれど。

「まだ足りないだろ?」

耳元で低く囁き声がして、震えが走る。

「そ……んなこと……っ」

必死で否定しようして。

「や、あっ」

でも、断続的にあがってしまう高い声を止めることはできない。。

「さん、ぞっ」

その体に縋りつく。
これは、血を吸われたからだけではなく――。
きっと。
きっと――。

――だけど。

「三蔵」

なにも考えたくはないのだと目を瞑り。
ただ三蔵の与える熱だけに、すべてを明け渡した。