【原作設定】
真実と虚構の狭間


2007年1月10日


 2人は、いつまでたっても2人で。
 どれだけ体を重ねようと、1つにはなれない。

 混ざり合って、溶け合って、1つになれる気はするのに。
 本当に1つにはなれない。
 同じにはならない。

 押し倒されて、覆いかぶされて、受け止めるというこの行為が。
 トクベツのものかすら、わからない。
 
 愛、とか高尚なことを説かれても。
 目に見えない感情を、どうやったら証明できるというのだろう。

 これが本能に基づくものだと。
 ただ、己の本能に操られているだけなのだと。
 そうであることを、否定することなどできるのだろうか。

 体は快楽に溺れやすいのだから。

 そして。
 心は―――――。


 心はどこにあるのだろう。



 高まりゆく熱。火照る体。熱い吐息。
 すべて感じることができるのに。


 暗闇に真実は見えない。
 こんなにそばにいるのに、とても遠い。
 手を伸ばせば届くのに、ここにいるのを確かめるように何度もその名を呼ぶ。


 ただ堕ちていくだけ――。




 なにもかもすべて混ざり合って、1つになってしまえばいい。


 そうすれば、きっと。

 そうすれば―――――。