【原作寺院設定】
言葉攻め
2008年12月12日
忙しない呼吸も落ち着いたころ、はふっと息をついて悟空は傍らの三蔵に擦り寄った。
しばらく嬉しそうに懐き、それから手を伸ばして三蔵の髪にと触れる。
キラキラでサラサラの髪。
ふふふ、とさらに嬉しそうに悟空は笑った。
「お前、シたあとに髪に触るの、好きだな」
そういう三蔵も手を伸ばして、悟空の頭を撫でるようにすると長い後ろ毛を絡め取る。
「シ……シたとかいうなよ」
真っ赤になって悟空がいう。
「じゃ、セック……」
「それもダメっ」
がうっと噛みつくように遮る。
言葉にしようがしまいが、いまさら変わるわけもないのに、と三蔵は思うが。
「そういえば、お前、言葉攻めに弱いものな」
「いきなり、なにっ」
「いや……」
三蔵は人の悪い笑みを浮かべると、悟空を引き寄せた。
耳元に唇を寄せる。
そうして囁いた言葉に。
「っ!」
悟空の赤い顔がますます真っ赤になる。
怒ったように睨みつける悟空を、三蔵はさらに引き寄せて体の下に巻き込む。
「本当に、お前は……」
続く言葉は唇と唇の間に消えていった。